遠隔画像診断のレビュー工数削減に向けた有効性を確認

株式会社ドクターネット様

株式会社ドクターネット様

業種
医療
課題
画像診断の現場において、依頼者からの依頼内容と画像診断レポートとの間に認識のずれが生じることがあり、その結果としてレビューの手間や差し戻しによるタイムロスが発生していた。

システム統括本部システム開発部部長の伊與田正晃様に、Preferred Networksとの取り組みについてお伺いしました。

タイムロス削減のための事前レビューに活用

今回のプロジェクトの概要や、どのような課題があったのか教えてください。

私たちドクターネットで提供している遠隔画像診断支援サービスにおいてもそうですが、画像診断の現場において、依頼者からの依頼内容と画像診断レポートとの間に認識のずれが生じることがあり、レビューのコストや画像診断のやり直しによるタイムロスが発生することが課題になっています。

そこで、AIを活用して事前にレビューを行うことで画像診断のやり直しを減らし、より効率的かつ迅速に診断結果を提供するのと同時に、依頼者および画像診断医双方の負担を軽減することを目標とした検証プロジェクトをスタートさせることにしました。

専門性の高い領域に対しても、両社が密に連携してPoCを実現

今回の取り組みで実現できたことは何ですか?

これまでは、LLM(大規模言語モデル)に対しては高い期待を持ちながらも、この部分への取り組みがなかなか進まず、また現場への実装方法や精度向上にも課題を感じていました。

今回、Preferred Networksが提供するワークスイートを利用したPoC(精度の検証)を実施させていただきました。ワークスイートは非常に柔軟なカスタマイズ性を持っており、私たちが必要とする複雑なフローの構築や精度改善に大きく貢献してくれました。

医療という専門性の高い領域でのデータ活用においても、Preferred Networksのメンバーが積極的に学びながら弊社メンバーと一緒に取り組んでくれたことにも大変感謝しています。最初のキャッチアップは大変だったかと思いますが、こちらの放射線科医やエンジニアと直接コミュニケーションいただいたり、紹介した書籍を読み込んでいただいたりしながら相互の理解が深まり、特に終盤は改善のサイクルが高速に回っていたのが印象的でした。

具体的に、どのようなコラボレーションや気づきがありましたか。

何よりも、Preferred Networksの皆さんと密な連携ができたことが印象的でした。PoCを通じて、LLMに"できること・できないこと"を率直にコミュニケーションでき、AIに対する期待値や運用イメージをすり合わせる貴重な機会となりました。一緒に学びつつ、現実的な運用に向けて具体的なイメージを持てた点が大きな成果だと思います。

医療 x テクノロジーの領域に強みのある弊社としては、医療とAIという2つの専門性の高いドメインをうまく橋渡ししながら有益な検証成果に繋げることができたのではないかと思います。

Preferred Networksのエンジニアの方からも、「ドクターネットの事業開発担当でもある放射線科医の方が技術に対してとても前向きだったのが印象的で、非常に進めやすかった。優秀で技術への理解があって協力的で、こんな方がいるのだと感動した。」とのコメントをいただき、両社の強みを活かした象徴的な取り組みになったのではないかと考えています。

LLMを医療現場に本格導入するために

最後に、PreferredAI Work SuiteおよびPreferred Networksへの今後の期待やリクエストなどあれば教えて下さい。

LLMを医療現場に本格導入するためには、精度や適切な利用方法の定義はもちろんですが、処理速度や拡張性、精度管理などの非機能面も非常に重要になってくると思います。この点について、AIエージェントツールやLLM、AI基盤など幅広く自社開発をされているPreferred Networks様には強く期待しています。

今後も引き続き、弊社のエンジニアや医療専門家と連携させていただき、LLMによる画像診断の効率化・高品質化を実現していきたいと考えていますので、よろしくお願いします。

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